舞-HiME 最終話

ものすごく望んだ結末であるのだけど、ものすごく納得のいかない結末(笑)

黒耀の君として自らが望む世界を手に入れようとするも、舞衣からは「気持ち悪い」と拒絶され。最終的には支配下として押さえていた妹にトドメを刺されてしまう。作品のヒロイン(ハーレムもの)と妹(妹もの)の拒絶と、ここはまるで男性向け作品への大いなる拒絶にも見えてしょうがない。

結局は萌えアニメの皮をかぶった女性向け作品だった気がする。女性観から恋愛感といろいろ盛り込み、最終的には全てをリセットし尚且つ全てを手に入れる。このたくましさこそがHiME、すなわち女性のパワーだといったところなんだろうか。そういった意味では昨今の男性向け作品を超越するかのようなこのご都合ENDはこれ以上ない落としどころ。<追記>
物語のほうに話を移すと、構成の上手さが際立った作品だった。キャラクター数を逆手にとって、ちょっとしたすれ違いや思い違い、キャラクター同士の組み合わせなどによって、用意周到この結末を導き出した。けれど逆に、そのソツのない構成の上手さがキャラクターやそこにあるはずのドラマを記号的にし過ぎてしまった。特にドラマ面での希薄さは最終対決である、舞衣VS黒耀の君の盛り上がりに如実に現われた。戦わなくてはならない理由から、その中で起こる復活という名の奇跡まで、何一つ説得力や必然性に欠けている。

とはいえそれでも面白かった。この点は素直にそう思う。