クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ夕陽のカスカベボーイズ

フィクションの中のフィクションとして、映画と観客というのをメタ的に取り上げた作品なんだろうか。

映画の中に入ったしんのすけたちが現実を忘れていくのは、映画という非日常を見にきている観客としては正当なもの。また映画の中でしんのすけが恋におちるといった行為、そして帰ってきて必死につばきの姿をさがすものの、シロの声を聞き急速に現実に戻っていくしんのすけの姿は、映画を楽しんで劇場を出て行く観客そのものの姿だった。

普通に泣き笑いのできる傑作映画として楽しめるし。またノスタルジーからの帰還としての「オトナ帝国」、家臣と姫の恋といった「戦国」、こういった作品があったからこそ余計に感じるものもある映画でもあった。面白かったです。