アニメ版AIR 第06話

夢のかけら。遠野家にとっては生まれてくるはずだったみちるがまさしくそれであった。だがこのかけらを失う事で終わらない夢を見始めることになる。母親は失ったみちるの夢を見続け、美凪はみちるとしての夢を見ることを強いられ、居ないはずのみちるは居る事の夢見続ける。皆が夢の終わり受け入れ、誰もが望んでいた食卓での情景を見ることで、母親は現実を受け入れ、美凪美凪として存在し、みちるは元のところへ帰ることになる。
フェンスが夢の境界だとするとお互いが背を向けての別れは、夢の終わりと共に前に進む事を強く示唆しているのかも知れない。みちるの前では美凪美凪で、つまりは自分の翼で羽ばたくことが出来た。それと同じく今度は義理の妹といった新しい居場所を見つけることができたのは、まさにそれだったように思う。
展開の早さは感じられるものの、画面の情報量に多くを言葉にしない余韻の心地よさで本当に引き込まれる。それにしても羽をキーワードに佳乃から美凪・みちる、そして観鈴へとキレイに話を繋げていくんだな。このあたりも先への期待を大きくさせる。