フルメタル・パニック!The Second Raid 最終話

放映枠をギリギリいっぱいにまで使った最終回。じっくりと描いてきた宗介の落ち込みっぷりをアッサリと洗い流すかなめの存在、かなめの言葉。完全に作品のスイッチが入れ替わるその瞬間。そしてそこから始まる主人公=ヒーローとしての大活躍。原作でも感じられたなだれ込むようなドライヴ感覚を、たっぷりと詰め込んだ構成によって十分に再現している。理屈どうこうを抜きにしたこのテンションは気分爽快楽しませてくれる。
エピローグ。上司に啖呵をきってみせる宗介や、ふとしたキッカケでその日常を実感したかなめが見せる涙。そしてラストカット、袖をちょこっとつかまえて見せる宗介とかなめの関係。落としどころの気持ちよさや、ちょっと進んだ関係の気恥ずかしさを感じさせる、これまた楽しい部分。

物語として「宗介の居場所の再確認」というものでまとめあげたので、拾いきれていないものやご都合的とも感じ取れる部分も多い。(アニメはここまでだが、先がある原作はこの部分や短編(ふもっふ)を利用して現実部分へ踏み込んでいき、それがまた作品としての緊張感につながる魅力的な部分なのだけど・・・。)

まぁこれは原作モノが抱えてしまう問題でもあるので仕方ない。それよりも丁寧にキャラクターの心情を追っていったからこそTSRとしてのラストがあるワケで、これだけのものを毎週に渡って見せていけたのは単純な画面作り以上のものがあった証。作画部分の評価が先行しがちな京都アニメーションだけど、改めてその中身の質をみせられた思い。

原作既読者として最後の最後まで楽しめる作品でした。スタッフの方々お疲れ様でした。そしてありがとうございました。