舞-乙HiME 第17話

難民となった者の苛立ちや怒り。王女だったマシロがようやくながらも気づく、人の優しさや物のありがたみ。そして最後まで一心に仕えるアオイの強さ。描写の上手さもあってか、どの気持ちも痛いほど理解できるのだが、一歩下がるとまるで茶番のように感じられてしまうのが、なんとももどかしい。

やはりマシロをはじめ周囲の人間の無自覚ぶりは、自業自得の域を超え国のシステム、すなわち脚本の設定に欠陥があるとしか思えないんだよなぁ。一体この国の上にいた人間、特にテッペンにいた王女と下で支える国民の間にいた人間は、どこをどう見て過ごして来たんだろうと。都合のいいところだけ切り取って見せる前に、見せなければいけないものはいくらでもあるはず。前作と違って舞台が舞台なだけに、キャラクターの下にはたくさんの人がいるわけで、国の描き方、政治の描き方、人の書き方、どれも配慮してもらわないと困る。