Fate/stay night 最終話

ブルーバックに始る演出に、大量の"死ね"の文字。そしてタイトルとサブタイ「全て遠き理想郷」。これは何かのメッセージなのかとちょっと笑ってしまったよ。
最終回。セイバーとの別離をキチンと描いたのは、物語としてウソのない落としどころで心地よかった。キャラクターを優先して終わらない世界を続けてしまうのは、過去を認めて聖杯を壊す事を決意したセイバーと士郎の決意を否定することでしかないからね。「オマエらしい」とセイバーを笑って見送る士郎と過去に帰り剣を置くセイバーの姿を、戻ってきた日常風景と共に見せていくエピローグは、胸に来るものがあってホント素晴らしく良かった。

全体としては、ルート構成の難しさが出てしまったのか、セイバー以外の女性陣の扱いや、主人公である士郎の頭の悪い行動はかなりツライものがあった。特に凛や桜の扱いの悪さはそのまま関係性の希薄に繋がったし、それは同時に士郎の正義感という価値感の薄っぺらさにも繋がって、最後まで士郎を好きになれなかった(笑)。主人公であると共に物語の視点でもあるのだから、ココは最大限の配慮が欲しかったな。