涼宮ハルヒの憂鬱 最終話

良い最終回でした。ラストの形が想像できていた中で、これほど満足のゆくものを見せてくれるとは思いもよらなかったな。それでもって原作が憂鬱で完結しているというのは、なるほど正しい言葉なんだな、と思った次第ですね。
宇宙人、未来人、超能力者を取り揃えるなど、自身が創造した世界でもあるにも関わらず、その中で苛立ちや絶望を感じてしまう一少女としてのハルヒ内面。それはとうとう、唯一の共感者であるキョンを、みくるに奪われてしまうという不安から、無意識の中で世界を再構築する事を決意するものへと至ってしまう。
完結した世界への流れを止めたのは、好きな人であるキョンからキス。そのキスをどう受け止めるべきか分からなくなったハルヒは、嬉しさ半分、抵抗半分の、いつもの意識と無意識の状態へ、つまりは元の世界へと戻っていく事になる(逆にキョンにとっては無意識だったハルヒへの感情の自覚)。
この少女としてのバランスがあるからこそ世界は戻れたというのは、ハルヒという少女が創造主として中心にいる事を的確に見せていてホントに上手いね。そしてそういったバランス感覚が、エピローグの戻ってきた世界、夢と思いつつもキョンの言葉を確かめたくてポニーテールで登校してきているハルヒに現れているのがこれまたスゴく良い(笑)。そんでもってキョンに「似合ってる」と言われたのに、その後はまた普通の髪型に戻ってるのがこれまたスゴくスゴく良い(笑)。

過去最大?の新番本数といわれた春。蓋を開けてみればこのアニメが良くも悪くも話題の全てを持っていってしまった印象だった。1話のミクルの冒険、それに続くシャッフル構成、OPやEDの発売等々。その例に漏れず、自分も一緒になってその話題の渦に乗れたのは楽しかった。出来ればその楽しみをもう一度味わいたい処です。スタッフの方々、素晴らしい時間をありがとうございました。