ロミオ×ジュリエット 最終話

崩壊する世界に愛する人と多くの市民を残し、満足気に死んでいくロミオ。そのロミオの気持ちを汲まず、エスカラスに身を捧げてしまうジュリエット。
己の愛と世界の命運をはかりにかけた選択だったはずが、支離滅裂な自己愛に収束していくような結末。この二人は何を守って何を救おうとしたのか、奇跡という結末が無ければ全てが崩壊していたように思えて仕方ないのだが・・・(そもそも外の世界があるんなら、さっさと引っ越せと思ってしまう)。

恋愛劇に足した革命劇とファンタジー部分が、最後まで馴染まなかった印象。特にロミオとジュリエットの双方が、生い立ちや立場を全く背負わなかったせいで、育むべき愛も人間的な成長も描く事が出来なかったのは大きな失敗(モンタギュー家のキャピュレット家暗殺と、アニメオリジナルとして題材を真っ先に掲げたつくりでもあったのに)。テーマ的な部分でズレていたのは、企画や構成の段階で詰めが甘かったのか。エピソード単位での盛り上げや流れは良かっただけにもったい作品だった。