とらドラ! 最終話

とらドラ!
全ては竜児と大河が結ばれて、めでたしめでたしな雰囲気で、騒動のきっかけとなった進路問題や家庭の問題はウヤムヤにされた気分だった。駆け落ち自体も、場所は祖父の家でしかも母親同伴と、”衣食住から親の心配まで無し”の完璧プラン。ここまでお膳立てされては、成長も何もあったもんじゃない。”逃げる・逃げない”だと悩んでは居るが、結局は自分が守られてるフィールドから一歩も出ようとせず、守られた箱庭から文句をつけてるだけだったような・・・。

総評。ビジュアルから演出まで、細部にまで神経の行き届いた作りには毎度の事ながら感心された。特に大河・実乃梨・亜美といったヒロインたちの奥行きのある存在感は、キャラ立ての上手さもさることながら、巧みな心情描写の賜物と言っていいほど。まさに”生きた”キャラクターを実感させてくれた部分だった。
ただ一方物語としては、片思いをしてるはずの竜児の心情がまるでハッキリせず、終始乗り切れないままだった。成長課題としてでてきたはずの家族問題もキャラクターに甘く、その為どこか不幸に酔ったような節が感じられる場面が多々あった。それはまるで現実側が大河たちを受け入れてしまうような違和感で、ちょっと受け入れがたいものがあったな。