CANAAN 最終話

CANAAN
カナンはアルファルドとの決着を付け、マリアはカナンとの向き合い方を見つける。
終り方としてはよく纏まっているとは思う。あっさりとした二人の別れは、言葉以上に二人の強い結び付きと前向きな決意を表しているようで良かったし、ラストカットのカナンなんか完成された一枚絵のような雰囲気でカッコよかったし。
ただお話としては、ちょっと褒める所が見当たらなかった。派手なビジュアルでのスタートまでは良かったのだが、その後は見せ場となる場面も作れなければ、キャラクターの掘り下げもままならないまま。特に中盤からこっちは、派手な事件は勝手に収束していくし、リャンチーやハッコーたちは自己完結して消えていってしまうので、無駄なイベントの羅列にしか感じられず、水増しされた冗長な物語を見せられているかのよう。後に残ったのは、どこかで見たようなアクションと聞いたような葛藤の声だけ。なんとも肩透かしな内容だった。
思わせぶりなシーンだけを並べて、それを一本に纏められないというのは、以前手がけた「true tears」と同様の失敗。残念というよりもやっぱりという気持ちが強かったな。