あの夏で待ってる 最終話

babitto2012-03-29

あの夏で待ってる
檸檬先輩とMIBと、忘れていたSF設定大活躍でラストらしい派手な画面は、盛り上がりを感じさせる出来で悪くなかった。そのせいで”持って行かれた”感のある海人とイチカの結末だったが、そちらもそれなりな綺麗な演出がされていて形にはなっていたかな。

恋愛部分のほとんどをテンプレ的なラブコメで消化してしまった為、場当たり的な楽しさ以外は何も残らないお話だったな、と。軽いラブコメとして消費するにんは十分だけど、それ以上でもそれ以下でもなかった。
新しい女の子と仲良くなって、趣味のカメラでちょっと映画撮って、その横で幼馴染が嫉妬して、とか、それってどこにでも転がっていそうな夏のいちイベントだよね、みたいな。そういう軽いイベント程度に楽しむならちょうどいい話で、「あの夏」として振り返るほどの強い印象や濃密な時間というものは感じられなかった。過去形で語るモノローグが毎回挿入されていたけど、そんな感傷に浸るような積み重ねにはとんと乏しく、そういう目論見に関しては失敗作だったと思う。

シリーズの脚本としては最後まで遊びのある余裕っぷりは評価したい反面、描写に重みを持たせたいような演出を見ると、その辺作り手の方にもズレがあったのかな、とも思う。ただ一貫性を感じるのは演出の方なので、そこは脚本のブレのような気もするが(笑)。