アクセル・ワールド 第01話

babitto2012-04-08

アクセル・ワールド
仮想現実を舞台にしたバトルもの。最近はラノベ原作なんかにも手を出すようになったサンライズが制作。
話の骨子としては、ダメな主人公の成長ものなんだろうけど、いじめられっ子に太った容姿とイジイジとした根暗な性格が加わり、その上タイミングの悪さがあったにせよ幼馴染を邪険にする態度まで見せられては、まったくもって応援する気になれない。だいたい構ってくれる幼馴染が居て、しかも学園のマドンナから声を掛けられて、世界をひっくり返せそうな能力まで頂けるのだから、至れり尽くせりな環境のように見えてならない(笑)。それで「現実は辛いんです」と言われても共感出来ないし、「でも、これから成長して行くんですよ」とアピールされても、それは脚本の都合だとしか思えないなぁ。

仮想現実等の設定に目新しさがなく、現実と仮想や電脳バトル、加速世界の使用悪用と、もう話の広がりをだいたい想像出来てしまうのも、興味を引くには弱い。バトルがメインになりそうだが、仮想世界でどこまで盛り上がるかちょっと不安でもあるし(もちろん現実とのリンクが出てくるだろうが)。

画面の作り込みはさすがサンライズという出来。進んだ電脳世界を印象付ける視界に現れるインターフェイスは面白いし、その見せ方も上手い。例えば、親から昼食代を貰う流れの中で、主人公の家庭環境を暗示すると共に、さらっと仮想ネットワークの社会への溶け込みぶりを見せているのには感心させられる。ファンタジー色あふれる仮想現実と荒廃した加速世界の対比もよく出来てる。スカッシュ部分もよく動いていて迫力があり、主人公の隠れた能力ぶりをよく示している。

お話よりも派手な画面を追いかけていく作品になりそう。サンライズが以前に手掛けた「境界線上のホライゾン」もそんなタイプだったが、そういう指針で選んでいるのだろうが。