アニメ版AIR 第12話

恐竜のぬいぐるみを指して「幸せ」といったものは、観鈴にとってそれはそのままこの夏の想い出そのもの。それを捕まえる事ができたというのは記憶が取り戻す事だった。絵日記に描かれた髪の長い観鈴と一升瓶を持った晴子の絵は、取り戻した幸せな記憶の象徴なんだと思う。
ゴール。その幸せな記憶を持ったまま、幸せの場所にたどり着く事が出来た観鈴。海岸にいた二人の子供セリフ「最後はどうか・・・幸せな記憶を」とはまさにこの事。「彼らには過酷な日々を」とはそのまま病んでいく観鈴とそれを助けるために消えた往人。でもそれによって「僕らには始まりを」といった言葉があるように呪いそのものから解放されたのだと思う。

母子といったものから家族そのものまで。一つの幸せといったものを提示するわけではないこの結末は、キャラクター萌えだけでは見ることの出来ないこの作品テーマをきちんと浮かび上がらせている。それが見ていても、見終わった後も心地よかった。