涼宮ハルヒの憂鬱 第13話

乙女の繊細で複雑な精神構造。普段とはうって変わり、マンションで普通の口ぶりを見せる姿と同様に、精神のなかでも常識とのせめぎ合いを見せるハルヒは、人としての実感を持たせてくれて面白かった。

自分が特別では無いという、世の中のごく当たり前の事実に愕然とするハルヒを、どこか笑えず、むしろその気持ちを理解できてしまうのは、大なり小なり経験があるから。この辺りの描写は、キョンハルヒの対比として、2話の「憂鬱のⅠ」と重なって描かれいるようだったな。
2話の冒頭、サンタクロ−スや宇宙人の存在を通して、自分がどうこの世界と距離を取っているかを、キョンは今回のハルヒと同じように語っているんですよね。それもハルヒが生み出したという閉鎖空間と同じモノクロ調の場面で。キョンはこの後、ハルヒと出会う事で世界の色を取り戻す。つまりは失っていた世界への興味を再び発見した。その事を考えると、それと同様の事がハルヒに訪れる事を暗示しているように思えます。物語の始まりがキョンハルヒの出会いだったとすれば、物語の締めはハルヒキョンの出会い、そんな形でもあるのではないかと。EDテロップが示すように、ハルヒは今、世界で一人であることを印象付けていますし。

タクシー内でハルヒを含めた話をベラベラと話して大丈夫なのかと思ったら、運転手の人はもしかして孤島で出てきた執事さん?。