氷菓 最終話

babitto2012-09-22

氷菓
最終回。遠回りして訪れた奉太郎の恋心というものを、お祭りの事件と重ねて導き出す過程がとてもお見事。先輩や前回の里志と摩耶花にもしっかりと触れて、ゆっくりとだが確実に変化し成長しつつある各々の関係を描き出している。
ただの甘い恋で終わらないのもこの氷菓らしく。幻想的で美しい桜風景の中、この歳で家柄や土地を背負うえるの決意には悲哀めいたものもあったりして。だからこそ幻想で見せる奉太郎の告白は、今出来る精一杯の誠意のようで微笑ましくもあったな。
お話だったり、人間だったり、映像だったり、また青春らしい苦味だったり。美しさというものを感じさせる内容だった。それが京アニらしい職人的な仕事ぶりととてもハマっていて、久しぶりにアニメ”作品”と呼べるものに出会えた気がしたなぁ。